IELTS(アイエルツ)は英語熟練度を測る英語検定の一つです。
TOEICとは違い、Listening、Reading、Writing、Speakingの4つのスキルから試験構成され、4つのスキルの平均点にてバンドスコアを算出します。
IELTSの有効性、勉強の仕方などをご紹介します。
この記事の目次
IELTSとは..?
日本での英語試験といえばTOEICやTOEFLが主流ですが、IELTSの導入も近年増え続けています。
IELTSとは
正式にはInternational English Language System。
ノンネイティブの英語力を測る試験。難関と呼び名が高い。
英語力証明に最適なテスト
元々IELTS(International English Language System)は、アメリカやオーストラリア、イギリスなど海外でノンネイティブの英語力を測る試験として使われています。
世界中の英語試験の中でも難関と言われています。
IELTSは、現在140か国10,000機関が英語力の認定として定めているテストです。
大学や大学院の入学権利取得や、海外移住の権利取得の為に英語力の証明を行うという、とても重要なテストです。
IELTSのスコアが国内でどう重要なのか?
IELTSは今やTOEICよりも認められている英語テストです。
世界中で年間290万人が受験しているといわれ、その数は年々増加傾向にあります。
各英語試験の特徴
TOEIC‥ビジネスに強い。
実践的なコミュニケーションスキルを測るために作られたテスト。 リーディング、リスニングの試験がある。 |
TOEFL‥留学する時に身につけておくべき英語スキル。
英語能力の証明として使われ、入学や奨学金、卒業の基準として認められている。 総合的な英語力を求められる。 |
英検‥日本の英語検定試験。
中学や高校、大学受験が有利になる。 |
IELTS‥イギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどで信頼されている英語試験。
大学や高等学校への出願用擦るための英語力を証明するアカデミックマネジメント(AM)と移住をする際に必要な英語力証明となるジェネラルトレーニングマネジメント(GTM)がある。 総合的な英語力が求められる |
イギリスやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、ほぼ全ての高等教育機関で認定されています。
アメリカでもアイビーリーグ(ブラウン大学、コロンビア大学、ハーバード大学、など)を構成する8大学を含む約3000の教育機関、教育プログラムでも認定。
EUでも約2000の教育機関で認定されており、世界中どこへ行っても通用する英語テストと言っても良いでしょう。
多くの国や教育機関で認定されているテストなんですよ!
日本でもIELTSの導入は年々進んでいますね。
「グローバル30」に含まれる大学や、グローバル人材育成支援、スーパーグローバル採択校などの入学要件としても認定されています。
グローバル30とは??
文部科学省の事業「国際化拠点整備事業」。
留学制に魅力的な教育を提供し、留学生と切磋琢磨する中で、国際的にも活躍できる人材を育成するために、また、留学生が来日しやすい環境を整えるために設定された。
東京大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、早稲田大学、東北大学、大阪大学、名古屋大学、京都大学、同志社大学、立命館大学、九州大学の13校が採択されている
東京大学を始めとする国立大学の推薦でも、IELTSのスコアが使われます。
IELTSのスコアを持つことによって、超難関の大学受験を有利にすることができるかもしれません。
また、平成27年から国家公務員試験でも、IELTSなどの英語試験のスコアを有する受験者にはスコアに応じて、15点または25点が総得点に加算されることになりました。
公務員にも英語は必須になる時代です!
公務員試験に英語試験の結果が反映される背景には、公務員としても業務に従事する者は基本的な英語力を有することが好ましいとされる考えがあります。
そのため、英語力を持った人ほど公務員試験においても有利になると言えるでしょう。
少しでも試験に合格するためにも、成績の証明が必要不可欠になったのは言うまでもありません。
IELTSのはどんなテスト?
IELTSのテストは2種類に分けられます。
- General Module‥移住やビジネスビザの申請で必要なテスト
- Academic Module‥大学や大学院への入学のために必要なテスト
基本的に、ListeningとSpeakingは両方のテストで相違はありません。
違いが出るのは、WritingとReadingです。
この二つは両方で異なった問題が出ると言われています。
例えば、Academicの方は実際にグラフを分析したり、研究内容を書くなど、まるで大学や大学院でレポートを書くような形式になります。
Generalの方は、ビジネスや旅行などの日常生活の中で手紙を書くといった形式が多く、そのシチュエーションはさまざまだと言われています。
より実践的な英語を求められるんですね
IELTS(アイエルツ)の試験内容
IELTS(アイエルツ)は4部門で構成
- Listening‥試験時間 30分
- Reading‥試験時間 60分
- Speaking‥試験時間 15分
- Writing‥試験時間 60分
それぞれの部門で9.0ポイントが満点とされており、0.5ポイント刻みで加算されています。
スコアの計算方法は、4つのスコアの平均です。
国によって誤差はありますが、大体7.5ポイント以上あると大学院や医学部、薬学部などの高度なレベルの教育機関で学習することを許されます。
7.5ポイントは優秀なユーザーとして評価され、詳細な論理を理解しているとされます。
時間配分は、Listening30分、Reading60分、Writing60分、Speaking15分と合計2時間45分のテスト時間です。
IELTSの難易度は高い。ハイスコアを目指そう。
海外の大学進学や移住権取得のためだけはありません。
国内でも国家公務員の試験や国立大学の推薦に使えます。
それだけ重要視されているなら難しいのでは?
実際にIELTSは一筋縄ではいきません。
IELTSとその他英語検定との比較
試験 | 点数 | レベル |
実用英語検定 | 準一級 | 社会生活で求められる英語を十分理解し使用できる |
TOEIC | 740点〜820点 | ある程度英語ができるようになったレベル。
十分に英語でアピールできる。 |
IELTS | 6.0 | 概ね効果的に英語を駆使する能力を有している |
試験 | 点数 | レベル |
実用英語検定 | 一級 | 最終目標級。広く社会生活で求められる英語を十分に理解し、使用することができる。 |
TOEIC | ほぼ満点 | 複雑な要求に対して適切に応えられれる。高度な英文を理解し、的確な英文を書くことができる |
IELTS | 7.5以上 | 優秀なユーザー。英語を駆使する能力を有している。詳細な論理も理解している |
この比較はあくまで目安です
TOEICにはスピーキングテストありません。
そのため、TOIECでいくら満点を取っていてもIELTS7.5には届かない可能性もあります。
ちなみに日本人の平均スコア(4部門平均)は、Academicで5.8点、Generalで5.6点ですよ!
この平均点を考えると、IELTSで7.5を目指すとなると20%以上高いスコアを取得する必要が出てきます。
マラソンで例えると‥日本人の平均スコアは10キロマラソンとすると、優秀なユーザーとされる7.5以上のスコアは、フルマラソンに等しいですね。
訓練なく走り始めても、フルマラソンを完走するのは無理!!
でも10kmマラソンならで少し走るだけなら走り切れそうな距離ですよね。
日本人の平均スコアは、マラソンに例えると、1週間走り込めば走れるくらいの距離だとします。
しかし、フルマラソンになると初心者は相当トレーニングを積んで臨まなければいけません。
トレーニングも1ヶ月以上は必要となるでしょう。
IELTSで7.5点を目指すとなるとかなりの学習量が必要になるのです。
IELTSを効果的に勉強するために
目標スコア、目標達成の期限も決めよう!
学習計画が立てやすくなりますよ
TOEICなどの英語試験を何度も受けた人はわかると思いますが、問題に慣れていないと、何が出るのかわからず余計な焦りなどが出てしまう可能性があります。
問題を解くペースを間違えてしまい時間に間に合わなかったということも有り得ますしね
問題に慣れることによって
- 問題のパターンを熟知し、次を予測することができます。
- 問題数も把握できるので、限られた時間でどれほどのペースで解くべきなのかも計算することができます。
IELTSの問題集を活用し、問題を解くことがおすすめです!
問題集を解くことによって、自分がどの部門に躓きやすいのか、どのような問題が苦手なのかを知る手がかりにもなりますね!
IELTS(アイエルツ)は4部門を満遍なく鍛える必要がある。
IELTSのスコアは4部門すべてのスコアの平均となります。
だから、全てのスキルを満遍なく備えていることが必要
自分の苦手分野が何なのかを知るためにも、問題集を解きながら自己分析を行いましょう!
英語力に悩んでいる方は、「英語がすこしも上達しない方のための、ちょっとしたコツとは?」という記事で英語力アップのコツを紹介しています。
英語力アップの参考にどうぞ!
IELTSの本番環境で予行演習
そして最後は、公式から出ている予行演習を行いましょう。
- 見込めるスコアが確認できる。
- テストの時間配分に慣れる。
- 2時間45分もの長丁場となるテストでのトイレなどのコントロールができるようにする
特に、2時間45分の間は問題が次々と出てくるのでトイレに行くことが厳しい‥
もちろん試験官に言えばトイレに行くことはできます。
しかし、その分ペースが乱れ余計な焦りが生まれます。
焦りの中で、問題に向き合うのは難しい作業です。
本番でのミスを防ぐためにも事前に模擬でのテストを行うようにしましょう。
資金力がある方は、IELTSのテストをどんどん受けましょう。
本番でしか味わえない緊張感や、時間配分などがつかめます。
実際にテストを受けることによって、テストに慣れることができます。
今回はスコアが悪くても、次回高得点を取ればよいのです。
最後に
海外での学業や移住を考えていない人も、公務員試験や大学進学などを有利に進めることができるIELTSは受けておく価値があります。
この先、IELTSはさらに日本では重要視されていくでしょう。
公務員試験や大学だけでなく、一般企業にもさらに広く浸透されることが予測されます。
まだ知名度はTOIECや英検と比べると低いですが、この先を考えて一度受験してみてはいかがでしょうか?
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